MarveL
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ソマリア沖・アデン湾における海賊対処の概要
ソマリア沖・アデン湾の海域は、年間約2000隻の日本関係船舶が通行するなど、日本の暮らしを支える重要な海上交通路ですが、近年この海域では、機関銃やロケット・ランチャーなどで武装した海賊による事案が多発・急増しています。
自衛隊は海賊対処法に基づき、派遣海賊対処行動水上部隊(護衛艦2隻)を派遣し、この海域を通行する船舶の護衛を実施するとともに、広大 な海域における海賊対処をより効果的に行うため、派遣海賊対処行動航空隊(固定翼哨戒機2機)を現地(ジブチ共和国)に派遣して海賊の監視警戒を実施して います。
2011(平成23)年6月からは、派遣海賊対処行動航空隊を効率的かつ効果的に運用するため、ジブチ国際空港北西地区に活動拠点を整備 し、活動拠点を運用しています。 また、海賊対処行動の本格化にともない、ジブチ政府や諸外国部隊・機関などとの現地における連絡調整業務が増大したことに対応するため、12(同24)年 7月にジブチ現地調整所を新編しました。
警戒・護衛について
現在派遣されている2隻の護衛艦は、アデン湾を往復しながら民間船舶を護衛しています。
護衛方法としては、まずアデン湾の東西に一か所ずつ定められた集合地点において、護衛の対象となる民間船舶の受け入れ作業を行います。
アデン湾を護衛船団が航行する際には、船団の前後を護衛艦が守り、護衛艦に搭載された哨戒ヘリコプターも、上空から船団の周囲を監視しています。
このように昼夜を問わず船団の安全確保に万全を期しつつ、アデン湾約900kmを2日ほどかけて通過していきます。
また、護衛艦には8名の海上保安官が同乗し、必要に応じて、司法警察活動ができるよう、自衛隊は海上保安庁と協力して活動しています。
2013(平成25)年4月30日現在で、3,068隻が、護衛艦に守られて、1隻も海賊の被害をこうむることなく、安全にアデン湾を通過しています。
なお、風浪が小さく海賊の活動海域が拡大する非モンスーン期(3月~5月、9月~11月)においては、護衛航路を東方へ約200km延長して護衛活動を行っています。
ジブチ共和国に活動拠点を置く哨戒機(P-3C)も、日本の面積に匹敵するほど広大なアデン湾を、優れた航続力を発揮して警戒監視を行っています。
ジ ブチを飛び立ったP-3Cは、アデン湾を航行する無数の船舶の中に、不審な船舶がいないかどうか確認作業を行っています。同時に、護衛活動に従事する護衛 艦や他国の艦艇、そして周囲を航行する民間船舶に対し情報提供を行い、また、求めがあればただちに周囲が安全かどうか確認するなどの対応をとっています。
2機のP-3Cを派遣している自衛隊は、同様に哨戒機を派遣している各国と協調しつつ、ほぼ連日にわたり警戒監視活動を行っています。
自衛隊のP-3Cが収集した情報は、常時、海賊対処に従事する米国などの各国派遣部隊や関係機関と共有され、海賊行為の抑止や、海賊船と疑われる船舶の武装解除といった成果に大きく寄与しています。
09(同 21)年6月に任務を開始して以来、13(同25)年4月30日現在で飛行回数は887回を数え、のべ飛行時間は約6,880時間に及んでいます。識別作 業を行った船舶は約7万100隻であり、周囲を航行する船舶や、海賊対処に取り組む諸外国に情報の提供を行った回数は約7,700回となっています。
Reference: Japan Ministry of Defense
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